冒頭から
「データベースの構築文みたい…。これって読み解かなきゃ
内容の読み取り半減なのかな?」
と心配する出だし(笑)。
実際にはデータベースなどではなく、どころか
etmlと名付けられた架空のものなんだそうです。
関連する文章にタグ付けしてるわけです。
ネット検索で上がってくる書評を2~3読んでみたんですが、
etmlとはHTMLやXMLを意識したマークアップ言語、総じて
わかる方が見るとけっこうツッコミどころのあるもののようですね。
データベース構築文の基礎程度しかわからないわたしには、
どこがおかしいのかぜんぜんわかりませんが。
単なるオモシロ手法のひとつであれば
みなさんここまで食いつかないと思いますが、
これ、エピローグにひっかかってくることになるので…
わたしはおもしろいやりかただなあと思いました。
ネストとかあるよ!!細かいな!って笑ったし。
SFなんですけど、世界観がつかみ易いので
ふだんSFは敬遠しがちなわたしでもだいじょうぶ!
物語世界に追従するだけの想像力(創造力含む)が
わたしにないというか …ひらたくいうと
わ か ら な い ので、SF=こむつかしい、と敬遠してきたんです。
小学生のころに星新一さんを1~2作読んだくらいじゃないかな…
本書の場合、現実世界にない社会が舞台(…SFなんだから
べつにとりたてて言うことでもないですかね…)なんですが、
いまの現実社会を少し横にすべらせれば、
あるいは少しいき過ぎてしまえば、
ありえる未来なんじゃなかろうか、と思わせる世界なんです。
むしろ揶揄や風刺なんじゃないのかってくらい、
リアル現代社会のすぐそばにある世界な感じ。
『虐殺器官』から続く世界なんだそうです。
『虐殺器官』のラストから引き起こるのが、
本書の世界の根幹になる「大災禍(ザ・メイルストロム)」なんですって。
…そんなこと言われても『虐殺器官』のラストって
どんなだったっけ…!!
『ハーモニー』を読まれる方はまず『虐殺器官』、
あいだを置かずに『ハーモニー』へと読み進むほうが
よろしいようです…
わたしの貧しい日本語ではなく、文庫版解説・佐々木敦氏の
表現を引用させていただきますが、
『伊藤計劃の小説はどれも、物語の背景を成す世界観、
状況設定が、驚くほど緻密かつ重厚に練り上げられている。
そしてそれはどれも、イマジネーションの突飛さを
誇るようなものではなく、あくまでも(以下略)』
突飛なんですけど、突飛に感じるよりも
ありえそう…!って思わせるリアリズム、
なんかふつーのことみたいに思わせてくれるんですね~。
なので、SF苦手な人間にも大上段に構えてないです。
2009年に夭折された著者が、ほんとに惜しいです。
亡くなったときにヨドバシアキバの有麟堂でコーナー組んでて、
わたしが著者を知ったのはそのときでしたので、
存在を知ったときにはもう亡くなっていたわけですが。
まだまだおもしろい作品が書けたであろう作家さんなのに、
とても残念です。